「ヴァイオリンの弓ってどう選んだらいいのかな?」
「選ぶときのポイントって何だろう?」
こういった質問にお答えします!
ヴァイオリンの弓は、楽器本体と同じくらい大切です。
音色や音量にも関わるため、弓の選定はとても重要なんですよ。
特にヴァイオリン初心者さんは、体に合わない弓を使ってしまうと、正しいフォームが身につきにくくなります。
しっかりと自分に合った弓を使えば、スムーズな上達につながるはずです!
ということで今回は、ヴァイオリンの弓の選び方についてお伝えしていきます。
弓の素材などについても分かりやすく解説していきますね。
ヴァイオリンの弓について基礎知識(素材や名称など)
はじめに、ヴァイオリンの各部分の名称と役割について解説していきます。
- 棹(さお)
“スティック”とも呼ばれる木材などでできた部分。
- 弓毛
弓毛は、古くから馬の尻尾の毛がつかわれ、1本の弓にだいたい150~200本の毛が使用されています。
- スクリュー(ネジ)
弓毛の張り具合を調節する部分。ねじをまわして調節します。
- サムグリップ
ヴァイオリンそ構えた時に、親指があたる部分。
- ラッピング
弓の人差し指が当たる場所を、摩耗から保護するために”巻き線”を巻いている部分。
また、巻き線を巻くことによって弓が持ちやすくなります。
- フロッグ(毛箱)
棹の手元に取り付けられている、弓毛を固定している部分。
前後にスライドさせることで、弓毛の張力を調節できます。
見た目がカエルに似ていることから”フロッグ”と呼ばれています。
- アイ
フロッグの装飾。白蝶貝(しろちょうがい)、アワビの貝殻などが使われます。
素材によって違いはある?
各部位の名称と役割はわかりましたか?
自分の弓を選ぶとなると、素材によって音質に違いがでるのか気になるところですよね。
ここから解説していきたいと思います!
- ラッピング
ラッピングに使われる巻き線は、昔からクジラのひげが使われていました。
現在では銀線・銀糸などの金属線やクジラのひげのイミテーションなどが用いられています。
素材によって音色にあまり差は出ないとされているので、持ち心地や見た目などで気に入ったものを選んでみましょう。
- 棹
棹は、材質で音質が大きく変わると言われています。
棹に最適なのは「フェルナンブコ材」とされています。
ところが、大変希少な樹木なため手に入りにくい素材なのです。
そこで、よくに似ている「ブラジルウッド材」も使われています。
フェルナンコブ材に比べて低価格で手に入りやすいのですが、強度や性能が劣ってしまいます。
ただし、基本的には職人さんの腕によります。
実際に使ってみて、自分に合ったものを選んでみてくださいね。
- 弓毛
弓毛は産地によって、毛の引っかかり方・なめらかさ・音色に違いが出てきます。
産地にはモンゴル、カナダ、シベリア、フランスなどで、それぞれ特徴があります。
モンゴル産のものがスタンダードで初心者におすすめです。
初心者向けヴァイオリンの弓の選び方
音質の良い弓を買おうと思うと、なかなかの高額になります。
せっかくなら、失敗しない弓選びの方法を知りたいですよね。
ということでここからは、弓の選び方のポイントを解説していきます!
予算を決める
ヴァイオリン本体と同様に、弓の選定も重要です。
弓の価格は手頃なものだと数千円~、高級品であれば数百万円と幅広い価格で販売されています。
初心者なら、どれにすれば良いか迷ってしまうはず。
弓は「ヴァイオリン本体の3分の1~半分くらいの値段」と言われることが多いです。
購入するときは、判断基準として予算を決めることから始めましょう。
素材を選ぶ
弓の素材は、なるべくならカーボン製ではなく木製の弓をおすすめします。
カーボン製は「低価格」「温度や湿度の影響を受けにくい」「壊れにくく長持ちする」といったメリットがあります。
一方で、音が「硬い」「冷たい」「味がない」など、木製の弓と比べると音質が劣るとされています。暖かみのある豊かな音色は木製ならではです。
とはいえ、木製の弓は高額なうえにデリケート。
普段の練習用や予備などにはカーボン製も良さそうです。
重さが扱いやすいものを選ぶ
弓の重さも演奏技術に影響してきます。
同じ重さの弓でも、重量バランスによって重く感じたり、軽く感じたりします。
この重さの感覚は個人で違ってくるので、自分にあった重さの弓を選びましょう。
試奏してみる
購入する前には、必ず試奏をして決めてくださいね。
音色や重量バランス、引き心地・持ち心地など最終チェックをします。
迷ったら信頼できる人に選んでもらう
よく分からない・自信がない場合は、信頼できる楽器店やヴァイオリン教室の先生に選んでもらうのが安心です。
ヴァイオリンの弓はちゃんとメンテナンスしよう
ヴァイオリンを長く美しく保つためには、メンテナンスが欠かせません。
演奏した後は、弓をキレイに手入れしましょう。
弓の手入れのポイントは以下のとおりです。
- 布で拭く
弓の棹の部分をやさしく乾拭きします。
乾いた布で松脂や手垢をきれいに拭きとってください。
使う布は楽器用クロス、綿のガーゼやハンカチなど、毛羽立ちにくい素材の布を使いましょう。
ティッシュやタオル地の布は毛羽立ちやすいので避けてくださいね。
- 弓毛を緩める
弓毛は弾く時だけ張り、弾かないときは緩めるのが弓を長持ちさせるポイント。
常に弓毛を張ったままだと、弓の反りが戻ってしまい音がでにくくなってしまいます、
- 松脂をつける
ヴァイオリンは、弦と弓毛がこすれることで音がでますが、この摩擦力を高めるために松脂が欠かせません。
つけすぎると逆効果になるので、普段のメンテナンスの場合は2往復くらいで充分です。
- 半年に一度は弓毛の交換を
演奏する頻度にもよりますが、3ヵ月~半年に一度は弓毛を交換をしましょう。
とくに、弓毛が伸びてきたときは要注意。
弓のバランスが崩れて、弓を傷める原因につながります。
弓の手入れで大事なポイントは、弓毛は拭かないこと!
お手入れのときは、このポイントに気をつけてくださいね。
まとめ
ヴァイオリンの弓は、楽器本体と同じくらい重要だということが分かりましたね。
素材によって値段もピンからキリまであります。
初心者なら、詳しい人の意見を参考にすると安心です。
棹の素材は、特に音質に影響してくると言われているので、試奏して好みの棹を見つけてみてくださいね。
あなたにぴったりの弓に出会えますように!